福岡県には、筑前海、有明海、豊前海の3つの海と内水面があります。

【筑前海】
○漁場の特徴
 九州西方を流れる対馬暖流の影響を受ける外海性の海域で、水深は120mより浅く、なだらかな海底地形となっています。また、海底には、天然礁が多く分布しており、沿岸の岩礁域には藻場が形成されています。
○漁業の特徴
 筑前海では、マアジ、マサバ、マダイなど、回遊魚を対象とするまき網や2そうごち網等の大型の網漁業をはじめ、さし網、つり、小型底びき網漁業などの漁船漁業が盛んです。また岩礁域ではアワビ、サザエなどを対象とした採貝(海士・磯見)が行われています。

【有明海】
○漁場の特徴
 筑後川をはじめ多くの河川が流れ込む内湾性の海域です。水深は、15mより浅く、海底は泥または砂泥で、干潮と満潮の高さの差(干満差)が最大6mに達し、干潮時には約20kuの広大な干潟が出現します。
○漁業の特徴
 有明海では、ノリ養殖業が盛んで、生産量は、常に全国上位に入っています。干潟には貝類や甲殻類が多く生息し、アサリ、サルボウなどを対象とした採貝漁業、タイラギを対象とした潜水器漁業、エビ類を対象としたさし網漁業等が行われています。

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【豊前海】
○漁場の特徴
 瀬戸内海最西部の周防灘に位置する内海性の海域です。水深は15mより浅く、海底は泥または砂泥となっており、干満差は最大4mに達し、沿岸域には干潟が形成されています。
○漁業の特徴
 豊前海では、カレイ類、エビ類、ガザミ類などの魚類や甲殻類を対象とした小型底びき網、小型定置網が主要な漁業となっています。干潟域では、アサリなどの貝類を対象とした採貝漁業も行われています。また、カキ養殖業も盛んに行われています。

【内水面】 (※河川、ため池などの淡水域を指します)
○漁場の特徴
 本県には、九州で最も長い筑後川(長さ143km)や矢部川(長さ61km)など、大きな河川があります。また、県内各所にダムや5,000を超える数多くのため池が存在します。
○漁業の特徴
 内水面では、アユ、オイカワ、コイ等の魚類やカニ類などを対象としたさし網、投網、つり、シジミを対象とした採貝等が行われています。筑後川では特産魚のエツ漁や鵜飼いなどの観光漁業や、遊漁者によるアユつりも盛んです。
 県南部を中心にコイやウナギ等の養殖も行われています。また、全国的に珍しいスイゼンジノリの養殖も行われています。